2013年5月31日金曜日

杣山(そまやま)城跡を訪ねる

福井県は天気予報などで福井市方面を「嶺北」、敦賀市や小浜市方面を「嶺南」と区分されますが、南越前町はその境目に位置する故に、古くから天然の要塞として町のあちこちに城や砦が建設されました。その中の一つ、「杣山(そまやま)城」は昔から「北の比叡山」とも称され、全国的にも珍しい南北朝期の築城を痕跡として今に伝えています。

こちらが杣山城跡のガイドマップです。
http://www.minamiechizen.com/Portals/0/images/hiking/somoyama.pdf(南越前町観光ホームページより引用)

今回、私(川村)はガイドマップ下部中央の「駐車場」から「居館跡」までのエリア、そして右の赤く塗られた「車道」を辿り、中央部の「駐車場」までの部分へ足を踏み入れました。



さて、麓に位置する駐車場へやってまいりました。ここには訪問者向けの休憩所と簡易トイレが設置されています。



傍らにある水道は、勢いよく水が噴き出したままです。



眼前にはこのような原風景が広がっており…



左手にある山の奥に、城跡が残っているとのことです。



草むらをかき分け進んでいくと、このように段々となっています。
これはかつての土塁の跡であり、昔は最上段に大きな石が積まれていたようです。
城跡と聞くと、江戸時代のものみたいに大きな石が何段にも積まれた石垣を思い浮かべるのですが、時代によってこうも違うなんて…



この渡しを跨いだ先に…



上部が少し凹んでいる部分があります。これは、歴代杣山城主の居館の門にあたるところだそうです。



居館のあたりから水路に沿って駐車場へ戻る途上の光景です。
ここ杣山城は、南北朝時代に南朝方の新田義貞が斯波(足利)高経に対する戦いの拠点としたところでもあります。そのためか、第二次大戦前にはここも注目の的となり、国史跡として指定され現在まで至ります。
豊かな自然を残す杣山城跡周辺は現在、ハイキングコースなどで活用されているこの地ですが、国の歴史を省みるにあたってももう一度見直されてもいいのではないかと私は考えております。


[隊員その1 川村]