2013年9月25日水曜日

街道浪漫今庄宿2013開催

今庄最大のイベント、街道浪漫今庄宿が9月15日(日)開催されました。
私の参画している今庄宿プロジェクトでも、来年度からの事業開始を待たずに「自分たちの手でできることからはじめよう!」という呼びかけのもと、まずは今年の街道浪漫で何か始められないか?という意見が挙がり、新たな店舗や出し物が展開されました。
私もそのいくつかに協力させていただきました。

◆若狭屋2階で体験ブース
今年8月上旬に改修された出来立てほやほやの空間を、街道浪漫ではクラフト体験コーナーとして活用いただきました。
1つはヘンプ(麻)のアクセサリづくり。トンボ玉等のポイント素材と麻ひもを組み合わせて、オリジナルのアクセサリを作成できます。商品もディスプレイしていただき、フロアが一気におしゃれな雑貨屋さんに!
もう1つは手作りうちわ。こどもたちが手形や足形、お絵描きで可愛らしいうちわを簡単に作れます。フェルトの小物も販売用で並べていただきました。
つい数か月前まで埃をかぶっていた場所とは思えない劇的ビフォーアフターが、1階の木の芽カフェに続いて再び実現したのでした。



◆岩崎家具店で展示・体験ブース
使われていない空き家や空き地を一時的に活用できないかということで、岩崎家具店さんがお店と倉庫のスペースを快く貸してくださいました。
私は上山精肉店の上山さんに革細工を習っているので、岩崎家具店さんのスペースを使って革製ブレスレットづくりの出店に協力させていただくことになりました。
帰省の電車の中でこつこつこつこつ編み込んだ体験用革素材と、茶・紺・牡丹の3色・3種類の刻印を使った販売用商品。

また同じ場所で、町の人に呼びかけて集まった今庄中学校の昭和数年分の卒業アルバム、今庄の魅力をピックアップした写真パネルを展示いただきました。岩崎さん、上山さん、ご協力いただいたみなさん、ありがとうございました!
◆そして当日、街道浪漫今庄宿開催
生憎すぎる雨になってしまいましたが、町の方たちの奮闘により、来てくださったお客様は宿場のまち・鉄道のまちの様々なおもてなしを楽しんでいました。
私は、当日お店のお手伝いは控えさせていただいて、いろいろな視点を想像しながら外側の視点で街道を歩きました。
故郷のお祭りを思い出しながら、町のこどもたちの目に今庄がどう映っているか。
旅先で出会った景色を思い出しながら、観光客の目に今庄がどう映っているか。
初めて今庄に足を踏み入れたときを思い出しながら、移住検討者の目に今庄がどう映っているか。









街道浪漫今庄宿には、まるで往時、宿場町や鉄道のまちとして栄えた頃のように、たくさんの人とたくさんの思いが行き交いました。
また、イベントをまちづくりの中で考えるとき、イベント等の非日常「ハレ」の面に対する日常「ケ」の面があります。
この日今庄に集まった様々な思いが、どのように今庄の日常に影響をもたらしているのか、戻ってきた静かな日常の中で考えてみたいと思います。

2013年8月21日水曜日

蓮の葉を網代笠とするかの如く――「誠蓮」出荷風景――

現在開催中の「第21回はすまつり」も、8月11日(日)の最終日を見据えながらのラスト・スパートを切っております。そのイベントが開催されている「花はす公園」が位置する南条でも、堂宮地区を中心に点在する蓮田では旧盆(8月下旬)に関西方面で用いられる花はす「誠蓮(まことばす)」の刈り取り及び出荷作業が行われています。

今回は、この現場へと潜入しましょう。

午前5時。朝もやと淡い光が差す南条・堂宮の蓮田へ到着しました。地区の中を少し歩くとこのようなお宅が…

ここのお宅が、今回誠蓮を出荷する「南条蓮生産組合」さんの拠点のようです。

程なくして、各農家さんは手に鎌を携えてそれぞれの蓮田へと散じ、刈り取り作業が始まりました。みな股下まである長靴を履き、誠蓮のもとへ足を踏み入れます。その蓮田の底は、いったいどのような感触を長靴の底へと返すのでしょうか…?

ある程度の長さを見たうえで、花はすの茎を刈って、そしてまた刈っての繰り返しです。こうして収穫された花はすは、写真のように所々にあるかごの中へとまとめられます。ところで、この写真には花の部分に蓮の葉が被さっていますが、これは直射日光や雨によって花が変色するのを防ぐためにしているとの農家さんの言葉です。知恵が光りますね。



作業開始から1時間経過した午前6時。海沿いの河野方面で雨が降っていたという情報を事前にキャッチしていたため、何だか不穏な予感は持っていましたが、見事に的中。降り出した雨はその雨脚を急激に強くし、あぜ道のアスファルトを一瞬で水浸しにしてしまいました。私も撮影を中断したのですが…

木陰へと逃げ込んだ直後の一枚。さっきまで麦わら帽子だったのが、蓮の葉の帽子に変わっていました。その葉の大きさから、僧侶などがかぶる網代笠みたいに私には見えたのです。なお、数分後には私もその笠に見立てた蓮の葉をかぶっていたのでした。

懸念した雨もすぐに上がり、代わって強い日差しが差しこんできました。それでもひたすらに、蓮田の中を刈り取りながら往復します。

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今回行われている出荷作業も「はすまつり」と同じく8月11日までとのことであり、この季節を象徴する風物詩もまた、間もなく終わりを迎えます。中には、この後鯖江にある企業へ出勤した若手の方もいらっしゃったこともあり、地域にとっては殊に重要な出来事なのだろうと思います。南条という地域と花はすという関係は切っても切れないものとなっていますが、ただ観賞用としてだけではなく、産業として重要な要素を担っていると感じながら、私は誠蓮を「箱ごと」持ち帰ったのでした。


[川村]

2013年7月31日水曜日

清流は水飛沫となりて川下へ駆ける――不動ヶ滝滝祭り――

南条の鋳物師(いものし)地区には、越前の名跡とされている「不動ヶ滝」という滝があります。越前富士とも称される日野山の中腹に位置し、麓からは歩いて20分程度で到着できます。この滝では、毎年7月の夏休み初日前後に「滝祭り」が開催されており、私(川村)も今回の祭りにほぼ飛び入りで参加させていただきました。

スタート地点はここ「鋳物師コミュニティセンター」です。私が現場へ到着したときは、子ども達を中心に既に地元の方が集まりつつあったところです。

軽トラへ積むのは、滝において配るお菓子や飲み物などです。

コミュニティセンターを出発して、2,3分ほど集落の中を歩くと…

いよいよ登山道へ入ります。

ほどなく上り坂へ。この周辺の木は全て根元あたりに網のようなものが巻かれていますが、地元の方によるとこれは鹿害対策のために施されているとのことだそうです。

ここから先は急な上り坂が続きます。その勾配に夜叉ヶ池を一瞬思い出してしまいました。
(参考:http://mechizen.blogspot.jp/2013/06/blog-post_24.html


出発してからだいたい30分かかったでしょうか。目的地が見えてきました。



滝祭りに先立ち、そばにある不動明王の祠へお参りです。この不動明王にも古くからの言い伝えがあり、かつては木像だったとのことでしたが、大雨のたびに下流へと流されてしまうため、三度目の被害を受けて現在の石像と祠へ作り変えられたそうです。

先ほどの軽トラで運ばれたお菓子やスイカ、ジュースが振る舞われています。

記念撮影を経て、これでお開き…


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…かと思いましたが、「このあとコミュニティセンターで流しそうめんやるよ!」とお声掛けいただいたので、下山後再びお邪魔することに。

見ると、既にコミュニティセンターの傍らには座席と流しそうめんの支柱が組まれており、あたかもこの前参加した「荒目地蔵祭り」のような雰囲気に。




私もその輪の中へ入り、「なっちゃん」(車で来ていたので酒類を頂くことはできず…)片手に語らう時は過ぎていきます。

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南越前町には、「今庄そばまつり」や「はすまつり」といった町を挙げて取り組んでいるお祭りもあれば、このような地域単位で行われるお祭りもあって多種多彩です。何かと前者に埋もれがちなこれらの地域イベントの魅力ですが、これからも私たちの手で次々と発信していきたいと思っています。

[川村]

2013年7月19日金曜日

今庄荒目地蔵祭り

夏祭りの季節になってきました。各地で地区内のお祭りや花火大会等、準備を始められていることと思いますが、私たちの住んでいる今庄でも「荒目地蔵祭り」が開催されました。山沿いの荒目地蔵と花藤地蔵の同時開催です。

お祭りのはじまりはこども神輿から。地区内のこどもは近年かなり少なくなってしまったそうで、神輿も大人が支えないと…との声も聞きましたがそんな懸念もなんのその、自分たちの力だけで元気よく担いでいくこどもたち。頼もしい限りです。








神輿が町を行く間に、会場では大人たちがお店の準備に大忙しです。焼きそば、たこ焼き、かき氷等の定番出店から、飲食スペースやカラオケ大会、こどもたちで進行するビンゴ大会、今庄ならではの茶飯販売まで、すべて住民の方の力で運営されます。大変なことです。




私もまんじゅう焼き等ちゃっかり味見させていただきつつ、お肉屋さん指導の下、焼き鳥のタレ漬けとパックをお手伝いしました。日も暮れて宴たけなわの頃には、各店売り切れ続出。荒目の夜は更けていきます…
私も下町生まれですので、わたあめが楽しみだったこと、ひよこを買ってしまって大変だったこと、大判焼きを頬張りながら母と手を繋いで帰ったこと…おまつりの想い出はいつまでも鮮やかです。
最近では出店がなくなったり、神輿の担ぎ手も減ったりと、各地でおまつりの継承が難しくなってきていますが、これから町で育っていくこどもたちにも、いつまでも胸に残り続けるような故郷の想い出を手渡してあげたいですね。

2013年6月27日木曜日

海の上で迎える夜明け――河今定置網乗船記――

南越前町でも海に面している旧河野村の地区は、福井県内でも有数の好漁場の一つとして挙げられています。ここ河野の海沿いにある多くの民宿では、いまの季節だとブリが、そして冬場であれば越前ガニといった海の幸を訪れた者へ提供しています。

そんな河野地区にて私(川村)がある会議にお邪魔した際、「定置網を見学してみたいのですが」と発言したことがきっかけとなり、あれよあれよという間に河野地区の定置網組合である河今(かこん)定置網の漁船へ乗ることとなったのでした。なお、河今定置網のほかにも甲楽城(かぶらき)地区や糠(ぬか)地区にも定置網があるとのことです。

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乗船当日の午前2時半。暗闇の中を河野漁港へ向けて出発します。
(余談ですが、その道中の道端で野生のシカを見かけました…)


河野総合事務所そばにある河野漁港に到着したのが午前3時45分ごろ。港内は既に煌々と輝く明かりの下にありました。

役場の作業着を着た突然の来訪者に、漁師さん達の中には戸惑いを示す方も居たのですが、そこは何とか説明していざ漁船へ。すると船は瞬く間に港を脱し、沖へ。



この季節の朝は早いもので、もう空が白んできました。

海上を進むこと5分、黄色い浮き玉が連なるポイントへ到着。ここに定置網が設置されております。

このように2艘で網を挟み込み、

隙間から手持ちの網などで掬い上げます。

陸地から流入する養分を蓄えた種々の魚が、網から籠へと吸い込まれていきます。


作業が一旦終わった後の様子です。私が乗った船は次のポイントへ…









移動中に一服。


次のポイントに到着しました。

作業中に陽が差してきました。

作業自体は先ほどと同じ要領で行います。

既に船上に居る先客を横目にしつつ…

クレーンを利用して素早く進めます。

帰り際には多数の乗船客がいらっしゃいました。

河野漁港へ帰りました。待ち受けていたのは漁師の嫁さん達です。







その後はみんなで魚を仕分けます。ちなみに、河今定置網の組合長さんによると、水揚げされた魚は一部を除いて福井市や敦賀市の市場へ出荷されるとのことです。地産地消なんですね。

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実は乗船する前に船酔いだけは覚悟すべし、とよく言われました。そこで対策として、前日の晩から何も食べず、さらには当日の天候の穏やかさも相まって、特に問題なく下船。

……秋以降の漁が楽しみです。

[隊員① 川村]